▼寅さん映画に学ぶもの2006/02/24 12:53 (C) おさむ茶マイルーム
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寅さんは、おいちゃんたちとの絆を「絶対的」なものだと信じている。おいちゃんとの喧嘩は“家族であることの証”なのである。ところが、その証しであるおいちゃんの口から、「お前なんか甥でも何でもない!」と言われた時、寅さんは心の糸が切られたような…、信じていたものが崩れるような心境になる。心切り裂かれる言葉は時に、暴力よりも残酷なものである。実際、何気ない一言が“心にグサリ”とくる場合が少なくない。感受性の強い寅さんは「言葉の境界線」を知っているからこそ、「それを言っちゃおしまいよ」と言い続けるのだろう。
ところが今の世の中、「それを言っちゃ…」の“それ”がどの部分、何を指しているのかわからない人が多すぎる。そんな人たちはぜひ、寅さんの映画で学んでほしいものだ。言葉は人間関係の潤滑油、人生における出会いや別れもすべて、言葉によって演じられている。寅さんはわれわれに、どんなに腹が立っても絶対、口にしてはならない言葉があることを、教えようとしているのではないだろうか。