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▼私の小さなフローフード運動〜仁藤商店

私の小さなフローフード運動〜仁藤商店/
「一億総百姓化というのが、日本の一番理想的な姿ではないか。」

こう話すのは、山形市諏訪町に豆腐店を構える
株式会社仁藤商店の仁藤斎社長。

婿入りして、たった1年後に他界した先代の跡を引き継ぎ
以来、豆腐一筋に生きる『筋金入りの豆腐職人であり経営者』なのです。

スローフードに対するこだわりも強く、
地域の人たちからの信頼も大きな有名人です。

▼ニッポンの課題

肉や野菜を始め、食料の多くを国外の輸入にたよる日本。
それは豆腐の原料となる大豆であってももちろん例外ではありません。
現在、年間消費量のおよそ98%が輸入大豆であるという現実。

「気づいてからでは遅いという過酷な現実が、もうそこまで迫っている。」

仁藤社長の危機感と使命感は強い。
2007/10/11 06:58:高橋

▼川西町の紅大豆プロジェクト

仁藤社長の多岐にわたるプロジェクトの中でも最も代表的なものは、
山形県川西町の【紅大豆プロジェクト】です。

これは、全国的にも希少な在来品種である「赤豆」を、
山形らしさの紅花にちなんで「紅大豆」と命名し、
地域ぐるみで進められているプロジェクト。

仁藤社長から呼びかけもあり、
現在では全国から注目を集めはじめています。



平成18年に『川西町紅大豆生産研究会』を発足し
現在では年間50トンの出荷という、
地元には無くてはならない重要産業にまで成長しました。

でも、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。
2007/10/11 06:58:高橋

▼紅大豆との出会い

仁藤社長が紅大豆との出会いは
山形県内のとある料理コンクールの会場。

真っ赤に色づくその大豆は、
これまでに味わったことのない甘味におどろき
一目でほれ込んだ仁藤社長は3kgほど譲り受けました。



実際に売れるのかどうかも
作り方さえ分からない未知の大豆。

地元の農家さんも試行錯誤のくりかえし。
何度も話し合い、試作しました。



仁藤商店がすべて買い受けるところからスタートした
未知なる紅大豆プロジェクト。

足掛け8年の努力の末、
とうとう年間50トン出荷という大きなプロジェクトに育ったのです。



「全国の業界関係者にも、この大豆について知ってほしい。」

2007年秋には『全国大豆フェア』というビッグイベント開催。

仁藤社長の熱い想いは
小さな町の小さな生産者たちから
全国の同志に向けて、確かな広がりを見せはじめています。
2007/10/11 06:59:高橋

▼農家を守ることは日本を守ること

実はこの紅大豆、
どちらかと言えば豆腐づくりには向かないという事実。

元来、煮豆用などに用いられてきたこの品種の甘味が
従来の大豆に比べて強過ぎるからなのです。



そういう品種をなぜ応援しているのですか?という問いに
仁藤社長は「日本の農家を守るためです。」とキッパリ。


「売れることや、儲けることが全ていいことではないが、
 このプロジェクトの成功が、農家や日本の農業の未来に繋がって欲しい。

 よく食べることはよく生きること。
 身の回りの家族が、日本が、取り返しのつかない事態になる前に、
 少しでも多くの人たちにそのことを分かって欲しい。」


仁藤社長の言葉のひとつひとつが、まさしく生きたスローフード。

スローフード初心者の私、深く感銘をうけました。


▼仁藤商店

【ホームページ】
 http://nitoh.jp/

【会社設立日】
 大正3年

【会社所在地】
 〒990-0033 山形県山形市諏訪町1-2-25

【連絡先】
 TEL:023-622-2069 9:00〜18:00 (月〜土)


取材:高橋直記 http://samidare.jp/nao/
2007/10/11 07:00:高橋
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