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最終大会ご挨拶(2008年8月10日記)
白い紙ひこうき大会公式サイトをご覧いただきありがとうございます。
「さよなら!大暮山分校」「解体前に思い出作りを」の思いから始まった大会も、今年で10回、10年目となりました。ご理解とご支援、そしてご参加いただきました皆様に心から御礼申し上げます。
スマートではないけれど、どこにも負けないあったかくてちょっとノスタルジックな大会を開催してこれたのは、優しい皆さんが集って下さるからなんだとつくづく実感しております。
校舎は残念なことに傷みが進みました。雪で折れた軒先、錆びたトタン屋根、そして雨漏りが始まりました。3年前の大雪では、トイレと少しおしゃれな姿だった体育館入口の屋根がつぶれてしまいました。毎年、補修を願っていましたが叶えてはいただけませんでした。そして、とても悲しいことですが、来年度に校舎解体の予定がたってしまいました。伴い、白い紙ひこうき大会はこの10回大会で終了いたします。
廃校舍を使うアウトローなイベントだけに、これまで実に多くのみな様に支えていただきました。支えて下さった大暮山区のみな様、ご協賛下さったみな様、宣伝下さったマスコミみな様、そして掃除をはじめあちこちから集まって汗を流して下さったボランティアの皆様。本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。
これまで分校の卒業生の方々に、思い出を聞かせていただく機会が度々ありました。冬になると交通が閉ざされてしまう山あいこの分校には、松保や焼野地区の開拓の歴史も加わり、強い絆で結ばれた特別な思い出が残されていました。その思い出の染み込んだ大切な学び舎を使い、私たちは10回も大会を楽しませていただきました。思い出を聞かせていただくたびに「大切に使わなければ」という念を強くしてきました。
そして私たちも、この学校を中心に多くの人と出会い、絆を作り、ドラマを作り、振り返るとやさしい思い出がいっぱいになりました。大会に参加下さる大人の皆さんは、一様に「自分の学んだ校舎とそこにあった思い出がどんどん甦る」とおっしゃいます。木造校舎で学ばなかった若者たちは、「知らない歴史を感じてドキドキする」と言います。
訪れる人の気持ちを優しくしてくれるこの校舎は、確かに余命わずかな96才のお年寄りです。しかし、今もなお、学校の役割を果たしているように感じるのです。
無機質な情報化社会の昨今,もしかしたら「懐かしむ」ことを必要とする時代になってきたのではないでしょうか。昭和を装ったものが店頭に並べられ、昭和の映画がヒットしています。大暮山分校は多くの人が求める心の風景だと思います。もしも許されることなら、建っているうちは建たせておいて欲しいものです。
奇跡がおこることを祈っています。
白い紙ひこうき大会実行委員会
代表 安 藤 竜 二
※写真撮影/宮森友香