ヤマガタンver9 > 続 同じ穴の

大手流通チェーンの社長と雑談をした


「スーパーのレジに並ぶとき


　どうしても好き嫌いが出てしまうんです


　たった数分のやりとりなんだけど


　どうせなら気分よく過ごしたいもんね


　不幸にも“嫌い”のレジしか開いていないとき


　そこに並ばないのはいかにも不自然だから


　何気にレジをやり過ごして　用もないのにもう一周してくるんです


　そしてちらちらと空き状況を確認しながら


　ここぞというタイミングでゲートインする


　ときどき自分の小者さ加減がいやになります」


にやにやして聞いてた社長さん


「いやいや私もですよ


　相性ってありますからねえ


　不自然に見えないように　要らん物をカゴに入れたりしてねえ…


　いや〜同類ですな我々は」


情けないことで意気投合して　その場は大いに盛り上がりました




帰りの車中


「大社長でもそうなんじゃん


　ははは　オレだけじゃなかったし


　やっぱそうだよな


　って


　んっ


　あの人あの店のオーナーじゃん！」




ますますあの人が好きになったのでした