▼AO入試対策コースの参考作品2005/04/11 14:00 (C) やまがた芸術倶楽部
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彼がAO入試試験の制作の素材に選んだのは『ギプス』
なぜ、どのように、AO入試に取り組んでいったのでしょうか。
AO入試受験を考えている皆さん、参考にしてくださいね。
■なぜにギプスをつくったのか?
作品のコンセプトは『日常にあふれている退屈をグラフィックデザイナーの視点から観察、改善し、面白いものに変える』というものでした。
本人自体入院生活が長く、その存在自体が退屈を余儀なくするギプスに不具合を感じていました。デザインワークは身近な所にある不具合を改善させ、使うものの意識自体も帰ることが出来ます。彼は自分の不具合をグラフィックデザインを用いて、『お洒落』や『シャレ』に変えていくことで、現状を打開できないかと考えたのです。
■制作するには、現状把握!
予備校に戻った彼は、一つの問題にぶつかります。ギプスのデザインをするにはギプスをつくらなくてはなりませんでした。作り方も解らなければ材質も解りません。自分のしていたギプスを思い出しながら、それらしい『フェイク』を完成させた時には、彼の周りには失敗したギプスの山がありました。
失敗の数が、彼の『フェイク』をより『本物』に近づけていったのです。
■いよいよデザインワーク。でも・・・。
そして彼はようやくデザイン作業に取り掛かります。コンセプトは決まっているものの、具体的なものはありませんでした。
彼のつくったギプスを見ながら、講師陣と『ブレインストーミング』をしたり、一見無駄に見える雑談(講師サイドとしてはアドバイスをしているのですが、雑談になるように話をすることで、柔らかい頭で考えられるように仕向けています。)を行いながら、面白くなるためのデザインを詰めていきます。製作者本人が面白くならなければ、決して面白いものはできないものです。
彼が考えていたちょっとしたジョークを、リアルなイラストレーションを使ってそのまま表現していくことで、シャレに効いた『デザインギプス』が完成しました。その他にも、Tシャツも本人のPI、標識、CDジャケットなど、彼はいろいろな作品の制作にも取り組んでいます。課題、自由制作を問わず、精力的に活動していくことで、日常的にデザインをするリズムを手に入れました。
■作ったものは、纏めてみよう。
入試の選考に備えて、ポートフォリオ(porfolio)の制作にも、作品数の多さから、比較的楽に進めることが出来ました。大抵まとめるときにあたふたしがちなこの作業も、ポートフォリオ自体にコンセプトが決まっていた彼には、そう難しくなく行うことが出来たようです。作成にPCを使用していたにもかかわらず、講師陣にアドバイスをもらわなくても完成させることが出来るほど、デザインに対する意識の持ち方が完成されていました。
彼のポートフォリオは、やまがた芸術倶楽部内で見ることができます。
現役大学生にも負けない、素晴らしい作品集に仕上がっています。
■作品を通して、理想の人間へ!
大学のAO入試の合格者に求める人材の中に、『講義、演習の際にリーダーシップが執れる生徒』というものがあるそうです。彼はまさにその存在に育ったと思います。
■本人に聞く! AO入試のメリット
2004年度AO入試東北芸術工科大学
グラフィックデザイン科合格
梅木駿佑
AO入試は、数回の教授陣面接やプレゼンテーションで自分をアピールできることから、試験というプレッシャーをあまり持たず取り組むことができました。
受験生というより、クリエイターとしての自分を見せることができたので、、制作自体も非常に楽しくできました。
予備校の講評会の経験から、面接もアドバイスと受け止めることができたので、大学に一年間、学生として通っている気分で楽しめ、有意義な一年間になりました。
■作品の数々
彼が受講中に制作した作品の数々をご紹介いたします。
すぐとれそう。 歩き出せそうで。 強気なギプス。
人生設計をしたり。 音楽を聴いたり。 時には演奏したり。
スイカ姫。 車で追いかけるのはダメ! 春なロンT。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
近年、入試形態が多様化してきました。
筆記試験・実技試験・面接・・・。
中でもAO入試は、より個性を重視して選考される入試形態だといえるでしょう。
試験会場の緊張感が得意な人、苦手な人。
面接で自分をアピールできる人、できない人。
しかし、デザイナーといえばプレゼンテーション。絵画の世界、立体の世界も、自己主張は重要。苦手ではすまない事もあります。
人付き合いの苦手な人は、予備校などで慣れておく事をおすすめします。