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▼50代求職者、二つの内定のはざまで

50代半ばの転職活動は現実として厳しいのが現実。

そんな中、Iさんは技術と人柄で4社受けて、
3社から内定をいただいた。

その中の2社に絞り、条件提示を受けた。
うち1社は私どもからの紹介である。

1社はその道のトップ企業で待遇も良い、
もう1社は外資系の新興企業で仕事の面白みはあるが、
リスクも感じる、といった内容だった。

これはたまたまの偶然であるが、
両者の条件提示が同じ日に重なったのである。

両方の話を聞いた後、Iさんと私は向かい合った。

雰囲気を和ませようと話題を提供するが、Iさんの表情は苦渋に満ち、
上の空の生返事。。。

少しして、Iさんがポツリとつぶやく。
「話が進んでいくと、欲がでるんですよね」と。

「最初の気持ちに戻ったらどうですか、
そしてIさんにとって大事なものが何か確認してください。
Iさんだったら、どっちにいってもやれると思いますよ」とアドバイス。

Iさんの趣味はサックス。
たまたまお会いした場所の近くで吹奏楽の演奏をやっていた。
Iさんは、それを少し見ていくといって、分かれた。

1時間くらいして突然電話が、
「原田さん、決めました。A社に」と。

「決め手は何ですか?」と問う私に。

「やりがいです」と、吹っ切れた明るい声が返ってきた。

その日の夜のメールにこんな一文があった。
「本当に悩みましたがやっと決めることができました。
今はほっとしております。
(中略)
私の力でどのくらいできるかわかりませんが、
できる限り頑張ってみます。
もしダメになった場合は私の力不足
だと思いますので後悔はしないと思います。」


どっちの道が良いのか結果はわからない。
でも、やりたいと思ったことをやらないでする後悔くらい
後に残るものは無いかもしれない。
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