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▼最上家をめぐる人々 【終わりに】

【終わりに】 〜山形を愛した名君・最上義光〜
 
 山形が「山方」という文字で歴史に登場したのは10世紀の前半。これまで長い歳月が流れた。そして、ここ山形の地に、16・7世紀の大変革時代に最上義光なるすぐれたリーダーが生まれ出た。
 その成し遂げた業績の偉大さは、出羽の歴史上、前になく、後にない。しかも、豊かな人間味、敬虔な信仰心、民衆への思いやり……。まさに名君の名に恥じない。私たち山形市民は、もっともっと義光を誇っていい。
 残念ながら、改易された家であるだけにマイナス面がことさらに強調されてきたきらいがあるが、それを雪(すす)ぐのは私たち山形人しかない。
 山形の民衆と土地を、何よりも愛した、最上義光。
 「命のうちに今一度、最上の土を踏み申したく候。水をいっぱい飲みたく候。」
 「城堀の普請いたし候につけても、民の草臥(くたび)れとまかりなり候。」
 なんと、素晴らしい言葉であろうか。
 本書では、最上家にかかわり深い人物を紹介したが、ここからも義光の人間像をかいま見ていただけたのではあるまいか。
 義光を学ぶことは、私たち山形市民に誇りを与えるとともに、山形をいっそう美しく住みよい街につくりあげようとする原動力となっていくに違いあるまい。 
■■片桐繁雄著

2011/06/03 15:19 (C) 最上義光歴史館
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