▼我と我が先輩に贈る。2013/05/05 18:44 (C) 「かつみんの不審庵日記」
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ひとりの男を知っている。
腹が立つほど人が良く。
酒を肴に酒を飲む様な、酒に溺れて死んだ奴。
あいつの口癖は、酒のプールで泳ぎたい。
そんな冗談を、真面目な顔で喋ってた。
何が悲しくて、そんなに酒を飲んだのか。
何が悲しくて、いつも酔い潰れたのか。
酒は飲め飲め飲め、淋しさを飲み干せ。
酒は飲め飲め飲め、儘ならぬを飲んでしまえ。
酒はいくら飲んでも、飲まれちゃだめと、お袋が良く言ってたけれど。
酒に飲まれて飲まれて騙されて、
初めて飲んだ味がする。
でも、出来るなら、酒は飲まない方がいい。
利口な奴なら、深酒はしない。
僕の心を初めて裸にした女。
酔った心に蘇える。
忘れてしまった筈だったのに、何故おまえは消えてくれない。
でも、出来るなら、酒は飲まない方がいい。
出世する奴なら、酔った振りが出来るもの。
たった一度の人生に躓いて。
取り戻せなくなくなったなら。
飲んで飲んで飲んでエヘラエヘラヘラと。
笑うだけというあいつ。
酒を飲まずに淋しさを。
消せる奴が居るのなら。
教えてやってくれ、あいつにその術を。
酒は飲め飲め飲め。
淋しさを飲み干せ。
酒は飲め飲め飲め。
儘ならぬを飲んでしまえ・・・。