▼昭和和六年の行列2016/03/17 08:01 (C) 獅子宿燻亭5
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昭和六年九月に満州事変が起こった年である。
丁度その頃長井市横町総宮神社の例大祭で何百人の祭り行列が行われていた。
以前、総宮神社の社務所の押し入れで発見し、戴いた資料が出てきた。
二枚綴りの「昭和六年九月十八・十九日 縣社総宮神社祭典四町役割」大町建元 という
印刷物だ。
境町(現在栄町)の羽田貞蔵氏は町長を務めた方だ。
カタカナは町名の頭。
一列に合成してみたが少々見憎い。
二つに分けて拡大
詳細な人数は無いが120以上の役割に大町、新町、栄町、十日町の四町から参加者を貼付けて
いる。
現在は六町(横町と高野町が加わる)で毎年縦元が変わる。
この他に青年会が多数と笛太鼓、や獅子舞、神輿、大榊など含めると二百人は下らない数だ。
この時の例祭の映像も残っている。
確か長沼酒造さん所蔵していたものをVHFビデオに残しているが、今ではプレーヤーが無いの
で観れなくなった。
さて、行列を見ると現在の順番とは違っている。
高張提灯から延々と言われある持ち物が続き天狗面を付けた猿田彦。
獅子前後の高張提灯から獅子舞が来る。
しかし不思議な事に、警護(角力)が見当たらない。獅子舞を制御する角力姿の警護である。
我々はこの姿に見慣れているが、成田や草岡、勧進代等では扇子を持った角力(すもう)だ。
考えてみると角力が棒を持つのは不自然な気がする。
これは先払い警護と角力が融合した形ではないかというのが自説。
獅子の後ろに太鼓と笛という順番も今と違って見慣れない。
確かに笛と太鼓が先に行ってしまい獅子舞がソロになる事は無くなる。
これはわが町の清水町の獅子舞いでも改めないといけない。
獅子の前の持ち物で、現在ではない物が多数あるようだ。
塩水? 散水 一万度 花火係 椅子持ち ・・・等
昭和六年当時はアスファルトも無いだろうから散水はホコリを防ぐための水を撒く係だろう
か?
花火係は文字通り爆竹や打ち上げ花火を上げるのだろう。
以前、建元のお手伝いをした時がある。
飯豊町の諏訪神社の行列の資料を参考にしたが、こんな立派な資料があったのではない
か・・・。
昭和六年頃は満州事変などのキナ臭い軍国主義の機運が高まり、国家神道として祭りにも
影響したのだろう。
天下泰平、五穀豊穣、身体堅固、悪霊退散などを祈願する平和を願うのが祭りである。