ヤマガタンver9 > オリンピックと糖尿病

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▼オリンピックと糖尿病

蝉の声が朝からうるさく感じられ、いかにも夏が来たという感じの今日この頃です。朝から暑い。年を取ると、のどの渇きを感じなくなるので、熱中症に要注意です。体が脱水状態になっているのに、のどが渇かずに突然倒れて不幸なことになるということが全国で毎年繰り返されています。この時期、みゆき整形外科クリニックに来るお年寄りには診察終了時にこまめな水分補給をするように話しかけるようにしています。また、白鷹あゆみの園では常時エアコンをつけっぱなしにして暑くならないように心がけていますが、さらに脱水にならないように、この時期にはこまめな水分補給を心がけています。
 未だにコロナは収まらず、むしろ拡大傾向にあります。毎年白鷹あゆみの園では、入所されている方々に少しでも楽しんでもらおうと思い、季節季節の様々な行事を行ってきましたが、昨年今年と三密を避けるため、例年通りの行事を行うことができません。今年も夏祭りは園内だけで外部の方を招かずに小規模に行うこととしました。今は耐える時だということで、ご家族の皆様にもご理解とご協力をお願いする次第です。
 コロナのせいで、今まさに競技真っ盛りの東京オリンピックも無観客で行う競技がとても多いようです。感染拡大予防のためには仕方がないことだと思います。
オリンピックに関する様々な話題が提供されていますが、その中で、選手村での食事も話題になっていました。選手村の食堂では、毎日いつでも世界中の色々な料理が楽しめるのだそうです。その種類は700にもなるとか。さすが、日本と胸を張りたくなります。一方で、やはり日本はまだ裕福で、美食の国なのだと思うよりもむしろ、以前から言われてきたように飽食の国なのだと思います。
日本では年間600万トンの食品が、まったく食べられずに廃棄されているとのことです。これは1人の日本人が年間47kgの食料を捨てていることになります。いつでもどこでも食べ物があるので、どうしてもついつい食べて肥満になり、メタボリックシンドロームを引き起こし、日本の医療費を右肩上がりに挙げている原因にもなっています。飽食をすると膵臓のインスリンがどんどん作られ、そのうち疲弊してきて膵臓でのインスリン分泌が低下し、ついにはインスリンが産生されなくなってしまいます。こうして次第に糖尿病になっていくのです。現在、日本の糖尿病患者はなんと1000万人いるとされています。また、その予備軍も1000万人いるとされています。糖尿病予備軍の方はほとんどの方が将来糖尿病になってしまっているという現実からすると、日本人の6人に一人が糖尿病もしくは将来糖尿病確定者ということになります。糖尿病患者さんの治療費は莫大なものになります。整形外科に来る患者さんの約3倍の医療費がかかっているというのを知っている方は、ほとんどいないと思います。糖尿病を放置したり、きちんと治療していないと腎臓が侵されて腎不全になります。そうすると体の老廃物を尿に混ぜて出せなくなり死に至ります。そうならないように人工透析が必要となります。週3回1回5時間、体が拘束され、透析を受けます。一カ月の透析費用は30万円から50万円かかります。その3割から9割は医療保険で支払われています。日本の透析患者数は34万人くらいですので、年間1000億円から1700億円の医療費が透析に使われています。
 昨今はコロナでどこにも出かけられないで、どうしてもうちにいる時間が長くなり、食べ物についつい手が出て、テレビでオリンピックを見る。そして、糖尿病になる。糖尿病患者さんは確実に増えているので、おいしいものをいっぱい食べていると将来、日本の医療保険料が3割、4割になる、もしくは国民皆保険が破綻してしまうでしょう。
 何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しです。食べすぎに注意しましょう。また、糖尿病の人は脱水になると一般の人より危機的状態になります。2000万人の日本人はこの夏特に気を付けなければなりません。
 そんなことをオリンピックの選手村の食事から連想してしまいました。

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